「自社の経営活動を外に発信しよう」「自団体の経営の一貫性をチェックしよう」
などの理由で年次報告書(アニュアルレポート)の執筆をお考えの方も多くいらっしゃると思います。
せっかく報告書を書くなら、読み手に分かりやすい執筆を心掛けたいものですよね。
今回は読みやすい報告書を書くためのポイントについてご紹介します。
■「誰に」「何の目的」で書くのかを明確に
年次報告書だけでなく全ての報告書に言えることですが、読み手や目的を想定して執筆することが重要です。
なぜなら、起きた事実をそのまま伝えるか、そこに対して今後の展望や改善案を加えるべきかなどは、読み手によって異なるからです。
では、年次報告書の場合はどうでしょうか?
企業に関しては、年次報告書は元来、現株主に対して経営状況を報告すると同時に、新たな投資家を手に入れることを目的に執筆されてきました。
外郭団体や学校などの場合は、読み手はその団体に興味がある方や所属員で、経営内容がどのようなものかを体系的に知るために目を通すでしょう。
ですから、読み手である「投資家や株主」または「所属員や興味のある方」がどのような情報を必要としているのかを考え、執筆にあたることが必要です。
読み手が簡単に理解できるように、一般的でない専門用語は控えるか注釈で説明することを心掛けましょう。
■体系的な構成を心掛ける
もう一点、体系的で、欲しい情報がどこにあるかをすぐに確認出来る報告書の執筆を心掛ける必要があります。
読みやすい構成は、標題、要旨、詳細といったように、初めの方に要約があり、読み進めるほど詳細になっていく構造です。
以下に体系的にまとまった良い例と、まとまっていない悪い例を記載します。
必要な情報はどちらが探しやすいか、見比べてみてください。
〇良い例
・弊団体の概要
-プロフィール
-代表インタビュー
-中期経営計画
・弊団体を取り巻く環境と課題
-〇〇部門
-△△部門
-□□部門
・今年度の実績
-業務実績概況
-業務実績事例
-〇〇関連の事例
・管理体制と業務運営
-コーポレートガバナンス
-ディスクロージャー
-リスク管理体制
・資料
-業務統計
-財務状況
×悪い例
・弊団体について
-代表インタビュー
-中期経営計画
-管理体制と業務運営
・課題
-弊団体を取り巻く環境
-財務状況
-財務の課題
・資料
-業務実績事例
-業務実績概況
いかがでしたか?
読みやすい報告書を書くには読み手の目線に立って、どういった情報が必要か、どのような構造であれば分かりやすいかを考えることが非常に重要だとお分かりいただけたと思います。
次回はさらに読みやすい報告書を目指して、執筆ポイントをご紹介します。