「年次報告書にもっと具体性を出したい。」
「配布先に読んでもらうためにはどう作成すればいいのか。」
そのようなお悩みかかえていませんか。
年次報告書は、企業が年度末にその一年間の実績や活動といった情報を、世界中の投資家や株主、そして金融機関といった関係先に公開するために配布している報告書です。経営内容に関しては一部の情報ではなく、総合的な情報が明記されています。
元々は日本において国際的な活動をしている企業が海外の投資家や株主のために英語版で作成していました。
今日では、日本企業が日本の投資家、株主に対して日本語でも作成されています。
では今回は、年次報告書を公開先の投資家、株主に対してわかりやすく読んでもらうためにはどのように作成したらいいのか、一つのポイントをご紹介したいと思います。
■「定量的」に数字を活用する
年次報告書は、企業が関係に提出する報告書です。一般の報告書と言えば会社内で上司に提出する業務報告書や日報報告書をイメージする方も多いと思います。
また、学生が提出するレポートをイメージする方もいるでしょう。
年次報告書も、年次に配布する報告書であるため、一般的にイメージする報告書と根本的な内容の伝え方は一緒です。
業務報告書や日報報告書、または実験のレポートなどで上司や教授にダメ出しを受ける際に、
「もっと具体的に書くように。」
と言われることがよくあります。その際には、数字を効果的に用いると具体性は増します。
しかし、単に数字を羅列するだけではいけません。
「定量的」に数字を用いることが大切です。
ビジネスにおける「定量的」というと、対象の状態を連続する数値の変化に着目してとらえることです。
前日や違う要素などの比較対象をふまえて、どれほど変化が生じたのか、違いはどの程度なのか、を意識します。
そうすることでより具体的にわかりやすい報告書に生まれかわります。
年次報告書に関しても、投資家や株主に、具体的にわかりやすく伝えなければなりません。
「定量的」に数字を使用することを意識すれば、例えば前年度の比較や他社との比較をふまえることで、そこに数字を使用すると、格段に具体性が増し読みやすい年次報告書になります。
■最後に
年次報告書は企業の個性がわかり、長期投資で最重要になる企業理念や、戦略、顧客の満足度など、財務諸表ではわかりえない情報を知ることができます。
企業の将来を左右する投資家や株主に対してより具体的にわかりやすく伝えるために、「定量的」な数字を活用してみてはいかがでしょうか。