書籍を世に出すためには、自分の頭の中の考えを原稿に書き出し、それを印刷する必要があります。
しかし、原稿を作るときに印刷のことを考えていないと、思わぬトラブルが発生してしまうかもしれません。
そこで今回は、印刷・出版することを見据えた原稿の作り方をご説明します。
□書籍のサイズと段組
まずは書籍のサイズを決めましょう。
書籍のサイズに合わせてデータ原稿のサイズを作成しないと、思い通りのレイアウトにならないかもしれません。
一般的に書籍の種類ごとに、適したサイズがあります。
例えば、エッセイは新書判で作られることが多いです。
また、小説はB6判やA6判、四六判が多く、写真集はB5判が一般的です。
次に段組を決めましょう。
段組とは、ページ内で本文を何段に分けるかということです。
1段組が通常ですが、B5判やA5判の場合は2段組の場合もあります。
□文字の大きさ
文字の大きさは10ポイント前後が読みやすく一般的です。
ただし、文字の大きさや行間、書籍サイズと段組によって1ページあたりの文字数が変わってきます。
1ページあたりの文字数は印刷費にも関わってくるのでよく考える必要があります。
□綴じ方
書籍の原稿を作成する時は、綴じ方も決めておきましょう。
綴じ方の種類には、無線綴じや中綴じが有名です。
また、ページが進む順番によって右綴じと左綴じに分かれます。
*縦書き・横書き
右綴じの場合は縦書き、左綴じの場合は横書きで書かれることが多いです。
日本語の文章の場合は縦書きが一般的です。
書き方と綴じ方を合わせて、原稿を作成しましょう。
*本の余白
本の見開きの中央の余白を「ノド」、外側の余白を「小口」といいます。
綴じ方によってこれらの余白を調整する必要があります。
無線綴じの場合は、ページ数が多くなると見開きの中央が隠れてしまいます。
隠れる部分には文字を入れてないように、ノドの余白は15mmから20mm程度取っておくと良いでしょう。
中綴じは一般的にページ数が少ない本に向いています。
そのため、ノドの隠れる範囲は比較的少ないです。
しかし、表紙や裏表紙に近づくにつれて、ノドが少し隠れてしまうので。、ノドの余白は10mm以上とっておきましょう。
ここまで印刷と出版を考慮した書籍の原稿の作り方をご説明しました。
原稿を作るときは、内容を作りこむ前に、まずこれらのレイアウトに関する設定を整えておきましょう。
当社では、書籍の仕様について専門家に相談できます。
書籍のサイズや綴じ方でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
画像内引用元:青空文庫 折口信夫『門松のはなし』