テンプレートは使っても良いの?規定集の作り方とは?


「社内の規定集には何を書けば良いの?」
「テンプレートを使って作成しても良いの?」
社内のルールを決め、それを明文化したものが規定集です。
しかし、規定集を一から作るのは骨が折れる作業でしょう。
今回は、規定集に載せる内容と、テンプレートを使用しても良いのかという点を中心に解説していきます。

□社内の規定集に記すべきこととは?

1つ目の社内の規定集に記すべきことは、基本経営に関する決まりです。
基本経営には、会社を建てた目的や商号、本社の所在地などの基本的な情報を記した定款や取締役会の運営などのルールが記されています。

2つ目の社内の規定集に記すべきことは、組織に関する決まりです。
ここでは、会社内の組織形態、役職、役割などを記します。
組織の構成や、それぞれの組織にどのような役割を与えるのかといったことまで載せておきましょう。

3つ目の社内の規定集に記すべきことは、人事に関する決まりです。
人事に関する規定は、人事に関連することはすべて明記する必要があるため、かなりの量になるかもしれません。
例えば、給料の締め日や賃金に関するルール、また手当て、就業規則等の決まりもすべて詳細に記述する必要があります。
実際の業務を何度も頭でシュミレーションしてみて抜けがないようにしましょう。

4つ目の社内の規定集に記すべきことは、経営処理に関する決まりです。
経営処理に関するルールは、決算や経理について記載していきます。
具体的には、勘定科目処理や予算管理、原価計算などが該当します。

5つ目の社内の規定集に記すべきことは、業務に関する決まりです。
社内規定には日常の業務に関することを記述していきます。
販売業務に関する手続きや経費で購入するもの、アウトソーシングする場合の手続きなどを記載しましょう。

6つ目の社内の規定集に記すべきことは、総務に関する決まりです。
総務は会社内で様々な仕事を担当しているので、時には実際に相談しながら進めることをおすすめします。
総務の仕事内容は、例えば、会社内の文書や個人情報の取り扱いなどがあります。
また、社内規定の管理や、変更時の手続きに関することも規定に含まれると頭に入れておいてください。

*規定集の作り方

まず、現状の把握と課題の特定をします。
ルールが明文化されていないために、業務が非効率になっている要素を列挙します。
そして、それぞれをグループごとに分けておきましょう。

そのあと、社内規定の案出しと部署間での相談をします。
先ほど分けたグループごとに、社内の慣習や他社の取り組みなどを参考にして、マニュアル化をしていきます。
ここで必ず、他部署と連携して随時意見を求めながら、細部を調整していきましょう。

次に、規定集の作成をします。
完成した草案を書類にまとめるのですが、ここでWordなどの文書作成ファイルを用いて、細部を調整しながらまとめていきます。

そのあと、社員への通知をします。
文書が完成したら社員に配布し、社内に配置することで周知を促します。

最後に監査と修正をします。
法律の改正や社会問題の変化に伴い、随時弁護士や社内会議を通して、必要であれば変更を加えてください。

□規定集をテンプレートで作成する

*テンプレートを使えば効率的に作成できる!

最近では、インターネットに自分で作成しなくても、テンプレートが掲載されています。
こういったテンプレートを利用すると素早く作成ができるでしょう。
中には、社是、定款から就業規則に至るまでほとんどすべてのテンプレートが用意されています。
これらのテンプレートをダウンロードして、中身を自社の規則に合わせて変えるだけで規定集ができてしまいます。
もし、日々の業務で時間がないという企業はぜひ利用してみると良いでしょう。

*規定集作成の際にテンプレートに頼りすぎることは危険?

先ほども紹介したように、テンプレートを使って作成することは、効率的に規定集を作成するという点では有効な手段でしょう。
しかし、すべてをテンプレートに頼って規定集を作成することはあまりおすすめできません。
なぜなら、社内の規定集は、経営理念や企業文化を反映するものだからです。

例えば、自由を重んじると謳う会社で、社内ルールでガチガチに決められていたらどうでしょうか。
社員だけでなく、他の企業の人も一貫性がないと思うかもしれません。

しかも、インターネット上にあるテンプレートは必ずしも法律に詳しい人が作ったという保証がないというリスクがあります。
万が一、法的なトラブルに会社が巻き込まれた場合、とんでもない損失を被ってしまう可能性もあります。

さらに、入手したテンプレートに自分でアレンジを加えることも実は危険です。
法律に沿って作られている箇所まで変更してしまい、文章が法的な効果を持たなくなってしまうリスクがあるからです。
実際、過去に規定集の就業規則を作成した際に、テンプレートを使って失敗した事例がいくつもあります。

テンプレートは確かに、作成にかかる手間と費用は圧倒的に少なく済みますが、同時に先ほど挙げたような危険性もあることをしっかりと理解しておきましょう。

□まとめ

規定集の作成にはかなりの労力がかかりますし、一からすべて作成することはあまりおすすめできません。
しかし、会社の姿勢を反映する大切な文書でもあることも忘れず、慎重に作成していきましょう。
私たちは、冊子作成だけでなく、ホームページ上で冊子関連の質問を受け付けています。
ぜひ、ご覧くださいませ。