「報告書作成の手順がよく分からなくて困っている」そんな方はいらっしゃいませんか?
ビジネスの場面で報告書を書くシーンはさまざまです。
役所や他企業に書く報告書の場合、報告書の構成や中身の質が低ければ、会社の信用を下げる恐れもあるでしょう。
そこで今回は、報告書の作り方を準備編と実践編に分けてご紹介します。
□報告書の作り方「準備編」
まずは、報告書を書き始める前の手順について見ていきましょう。
最初に、報告書を書くにあたっての素材を集めます。
報告書は自分のためではなく、相手にきちんと情報を伝えるために必要なものなので、相手にとって必要な情報を集めましょう。
集める素材は、自分の頭で覚えている知識だけでなく、確かなデータや情報の根拠なども意識しながら用意します。
次に、報告書の目的を明確にしましょう。
誰に、何のために提出するのかがブレてしまうと、読み手の期待に添わない報告書になってしまいます。
顧客向けの報告書であれば、いつも以上に丁寧に書く必要があります。
最後に、報告書を書くにあたっての、全体の構成を考えます。
全体の構成は、文章を書き終わった後の見栄えにも影響するので、気を付けてください。
報告書の構成は、ピラミッド構造を意識してもらえると分かりやすいと思います。
ピラミッドの上にいくほど、内容が要約されていて、下にいくほど説明が詳細になります。
具体的には、ピラミッドの上から、「標題」「内容要旨」「詳細内容」の順に書くことで、まとまりがあり読みやすい報告書に仕上がるでしょう。
作り始めるときは、下から順番、つまり詳細内容から考えると標題まで楽に考えられます。
また、詳細内容にもピラミッド構造が見られ、上から順に「見出し」「小見出し」「説明文」となっています。
設計の段階では、仮でも良いので大まかに構成を作ってみましょう。
ここでも下から順番に考えると書きやすくなります。
□報告書の作り方「実践編」
大まかな構成が決まったら、実際に報告書を書きます。
報告書を書く時も、構成を考える時と同様に本文から書き始めましょう。
標題は読み手が最初に目に留まる部分であり、本文の要約部分でもあるので、重要なキーワードを盛り込む必要があります。
標題を作った後に本文を書くと、その標題に無理に合わせてしまい、本来の目的からずれる恐れもあるので、本文から書くのがおすすめです。
本文は必要事項に漏れのないよう、5W2Hを文章に取り入れ、報告書の中身を作りましょう。
簡潔で分かりやすい文章にするためには、結論をまず書き、その後にその結論に至った経緯や理由を書きます。
この時、事実と主観的な意見を混ぜてはいけません。
主観的な意見を入れてしまうと、読み手を困惑させてしまう可能性があり、相手が間違った解釈をする場合もあります。
客観的な意見を記載したい場合は、具体的な日時や数字を使って表現すると良いでしょう。
例えば、「前年比より売上が大幅に伸びた」だと人によって大幅に伸びるの解釈が異なってくるので、「前年比より売上が20%上昇した」と正確な情報を相手に伝えるのが大切です。
また、分かりやすい文章にするためにも、文章の表現に注意しましょう。
文章の語尾が「ですます調」であるのに、一部「である調」や「体言止め」を使っていると読み手にとって読みづらい文章になります。
混同せずにどちらかに統一しましょう。
本文を書き終えると、次は見出しや小見出しを書きます。
文字数は見出しが10~15文字程度、小見出しが15~20文字程度に収めて、本文の内容を端的に示す文章にすると、読みやすい報告書になります。
標題は本文の内容が、一目で分かるよう具体的に書きます。
文字数は15~20文字程度で、標題を読んだだけで大まかな流れが理解できるのが良いでしょう。
報告書を作成し終えたら、声に出してチェックしましょう。
誤字脱字や伝わりにくい表現は、声に出してみると気づくことも多いです。
また、重複表現にも注意しましょう。
重要な情報の漏れをなくそうとするあまり、同じような内容の文章が複数回登場するケースはよくあります。
読み手は同じ言葉が何度も出てくると、内容を理解するのが難しくなります。
報告書は情報の正確さはもちろんのこと、簡潔に分かりやすく書くことも重要なので、声に出して違和感があった場合はその都度修正しましょう。
内容のチェックが終わったら、見た目のチェックも行います。
読み手にとって読みやすい文章は、文章のまとまりごとに、適度な余白があることや文の長さや文頭がきちんとそろっていることが挙げられます。
報告書は見た目の美しさにもこだわると、相手も内容をよく吟味してくれるので、見栄えをおろそかにしないよう気を付けてください。
□まとめ
今回は、報告書の作り方をご紹介しました。
どんな報告書であれ書く内容は違っていても、書き方のポイントは同じ場合が多いです。
報告書は、全体の構成が決まっているので、順序さえ間違えなければ、仕上げるのは難しくありません。
相手にとって読みやすい報告書になっているかを常に意識し、報告書を書きましょう。