原稿設定のメリットとWordの原稿データの注意点をご紹介します


学校の小論文や小説といったコンテンツの作成に原稿用紙を使う方は多くいらっしゃるでしょう。
しかし、なぜ作文や小説に原稿用紙を使うのか把握している人は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、原稿用紙のメリットと合わせて、実際にWord使って執筆する際のポイントをご紹介します。

◻︎原稿用紙のメリットとは?

 

一般的に「小説や作文は原稿用紙に書くもの」といったイメージがあるのではないでしょうか。
しかし、原稿用紙に書き込むのはいくつかデメリットがあります。

まず、20字×20行の400文字という制限があるということです。
そのため、一枚の紙に詰め込める情報は少なくなります。
さらに、ルビ用のスペースまで開いており、読みづらいといった特徴があります。

では、このようなデメリットがある中で原稿用紙を使うメリットは何なのでしょうか。

まず、出版社が作家に原稿用紙の枚数で依頼するという慣習があることです。
「原稿用紙換算で100枚以内」といった制限を持たせて依頼することは多く、原稿料に関しても「原稿用紙1枚あたり5000円」といった計算をします。

このように、作家に依頼する際に文章量を原稿用紙の枚数で数えることは多いでしょう。

次に、大きなメリットとして、原稿用紙の枚数で制限を設けるため、ストーリーの構成を考える際に役立ちます。
要するに、デメリットとしてあげられた文字数制限がストーリーの構成のしやすさといった点で逆にメリットになるということです。

例えば、300枚の小説を書く際には起承転結の「起」の部分は比較的長めに書いても良いかもしれませんが、30枚ほどの短編小説を書く際は「起」の部分は簡潔にまとめる必要があります。

そのような時に序文は原稿用紙で3枚までに収めるといったように、構図を考えながら執筆できるでしょう。

さらに、細かいエピソードの部分でも「この部分、会話が原稿用紙二枚に渡って続いており、稚拙な印象を受ける」「丸々用紙一枚地の分だから硬い印象を受ける」というように文章の構成に気を配れるようになります。

このように原稿用紙を使うことによって、ストーリーの全体のバランスが調整しやすくなります。

 

◻︎Wordの原稿用紙設定を利用しよう

 

原稿用紙のメリットを把握したら、早速執筆作業に入りましょう。
手書きで執筆するのも良いかもしれませんが、Wordの原稿用紙設定を用いて執筆するのもオススメです。

手書きで原稿用紙を執筆する場合、会社がデータで受け付けていた際にパソコンに打ち直す必要があります。
そのため、手間を省くためにも、はじめからWordの原稿用紙設定を用いて執筆すると良いでしょう。

そこで、ここではWordの原稿用紙設定の方法をご紹介します。

1つ目の作業は、Wordの「レイアウト」タブをクリックし、原稿用紙グループにある「原稿用紙設定」を選択します。
2つ目の作業は、表示されたウィンドウの「スタイル」で「マス目付きの原稿用紙」を選択します。
3つ目の作業は、「文字数×桁数」と「罫線の色」を選択し、「用紙サイズ」を選択します。
4つ目の作業は、印刷の向きを「縦」か「横」を選択します。
5つ目の作業は、ヘッダーとフッダーの設定をします。

この手順によって、原稿用紙設定は完了です。
また、行末の句読点を入力すると、マスからはみ出る場合があります。
その際には設定を変更しましょう。
Wordの「レイアウト」タブをクリックし、原稿用紙グループにある「原稿用紙設定」を選択します。
「句読点のぶら下げを行う」のチェックを外して「OK」をクリックします。
このように設定すると、次の行に句読点が表示されるでしょう。

また、句読点を一つ前のマスに収めたい場合もあるかもしれません。
その際にも設定を変更する必要があります。
「ホーム」タブを選択し、フォントグループの右下にある矢印をクリックします。
「設定詳細」タブを選択し、「ページで指定した1行の文字数を使用する」のチェックを外し、「OK」をクリックします。
このように設定することで、句読点が一つのマスに収まります。

 

◻︎入稿する際に注意すべきポイントとは?

 

次に、Wordデータを入稿する際に気をつけておくべきことをご紹介します。
注意点としては、主にサイズ、カラーの二点が挙げられます。

まず、サイズの注意点です。
Wordのデータは必ず塗り足しを行なっておきましょう。

塗り足しとは仕上がりのサイズよりも外側までレイアウトをして、余白をなくす処理です。
この処理を行なっておかないと、断裁時のズレによって紙の周囲に白地が見えてしまう場合があります。

これを防ぐためにも、絵柄や背景画像は仕上がり線の外側に3mmの余裕を持たしておく必要があるでしょう。
また、文字は仕上がり線の3mm内側の範囲内に配置することをおすすめします。

次にカラーの注意点です。
印刷物をカラーにする場合、インクの色はCMYKになります。
WordなどOfficeアプリケーションではRGBで指定されているため、印刷時に色味が変わるのには注意しておきましょう。

また、このCYMKに変換するグラフィックソフトもあるので、これを活用するのもオススメです。

 

◻︎まとめ

 

今回は、原稿用紙での執筆のメリットとWordにおける原稿設定の方法を解説しました。
また、入稿する際のサイズやカラーといった点にも注意が必要です。

そのような注意点を踏まえた上で、Word原稿、Wordデータを用いて文章を作成してみてはいかがでしょうか。
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