原稿をイラストレーターで作成中だという方はいらっしゃいませんか。
イラストレーターは操作が難しいですが、自分の思い通りの原稿を作れるため、出版物のデータ作成には最適なツールの一つです。
イラストレーターで原稿を作る際には押さえる必要のあるポイントがあります。
今回は、そのポイントについて解説します。
□イラストレーターとは
イラストレーターとはアドビ社が提供するデザインツールの一つです。
パソコン上でデザインをする際に、多くの方が用いているツールでしょう。
自由度が高いため、印刷物のデータを作る際には重宝されています。
しかし、できることが多い分、操作が難しく、困っているという方も多いでしょう。
その操作の難しさから、入稿する際のデータで不具合が起きてしまう場合があります。
入稿で失敗しないように、注意点を押さえておきましょう。
□イラストレーターで入稿データを作る際の注意点
今回は、イラストレーターで入稿データを作る際の注意点を3つ紹介します。
どれか1つでも見落としていると、思った通りの印刷物になりません。
それぞれ1つずつ押さえておきましょう。
*テキストはアウトライン化する
まずは、テキストをアウトライン化することです。
専門外の人には、何をいっているか分からないかもしれません。
詳しく解説します。
原稿ではテキストを用いることが多いでしょう。
中には、いつもと違ったかわいいフォントでテキストを作ったり、かっこいいフォントでテキストを作ったりする場合もありますよね。
それ自体には何も問題はないのですが、それらのフォントをそのままにしておくと、問題が発生してしまうのです。
フォントはパソコンの中にデータとして入っています。
そのため、自分パソコンの中に入っていて、印刷会社のパソコンの中には入っていないフォントというものが存在します。
このような場合に、特殊なフォントをそのまま入稿してしまうと、印刷会社のパソコンにないフォントは違うフォントに置き換えられてしまうでしょう。
せっかくこだわって選んだフォントは、印刷会社を経由する際に置き換わってしまうのです。
そこで活躍するのがアウトライン化です。
アウトライン化という手順を踏めば、テキストからフォントとしてのデータがなくなり、図形として変換されます。
そのため、どのパソコンへデータを移しても、フォントが変わってしまうことがなくなるのです。
手間のかかる工程ですが、必ず行いましょう。
*ドキュメントモードはCMYKになっているか
イラストレーターには、色に関する設定としてRGBとCMYKという2つの種類があります。
RGBはパソコン上に表示されるのに最適化された色の設定で、CMYKは印刷物に最適化された色の設定です。
そのため、印刷データはCMYKの設定にしてから作りましょう。
ちなみに、RGBはレッド、グリーン、ブルーの頭文字をとっていて、これは光の三原色を表しています。
パソコンの画面は光で色を作っているため、RGBが最適なのでしょう。
CMYKは、シアン、マゼンタ、イエロー、キープレートの頭文字からとられています。
シアンは青に近い色で、マゼンタは赤に近い色、イエローは黄色で、これは色の三原色ですね。
ちなみにキープレートとは画像の輪郭など細部を示すために用いられた印刷板のことで、通常黒インクのみが用いられていたため、そこからとられました。
*画像は全て埋め込まれているか
原稿に画像を使っている場合もあるでしょう。
その場合には、画像にも注意が必要です。
イラストレーターの場合、画像は元画像データがそのままリンクづけされて表示されています。
そのため、画像データがあるパソコン上でしか表示されません。
もし、何もしないまま原稿データを印刷会社に送った場合、画像があった場所は空白になってしまうでしょう。
そのような状態を避けるには、埋め込みがおすすめです。
画像の埋め込みとはつまり、イラストレーター上にデータとして埋め込んでしまう方法です。
全ての画像をイラストレーター上に埋め込んでしまえば、空白ができてしまうことなく印刷ができるでしょう。
しかし、埋め込みにも注意が必要です。
というのも、画像が埋め込まれた原稿データは、容量が大きくなってしまいます。
そのため、場合によっては印刷会社にデータを送れないということもあるでしょう。
そうなった場合は、リンク配置で対処しましょう。
リンク配置とは、従来のように画像データをリンクづけされたままにすることを指します。
そのままではリンク切れになり正しく表示されませんが、画像も同時に送るという方法で対処できます。
画像がリンクづけられている場合、パソコン上に画像がないことが問題だったので、画像を送れば解決できるのです。
□まとめ
今回は、印刷原稿をイラストレーターで作る際の注意点について紹介しました。
どれも印刷を成功させるために大切なポイントなので、必ず確認してから提出しましょう。
この記事が印刷原稿を作成する際の参考になれば幸いです。