年次報告書の作成方法について知りたい方はいらっしゃいませんか。
今回は年次報告書とは何か、その作成方法やポイントについて紹介します。
ぜひ参考にしてください。
□年次報告書とは
年次報告書とは、「経営や財務に関して総合的な情報開示を目的とし、年度末に株主や金融機関などの利害関係者に対しての資料」です。
これは法律で作成が義務化されたものではないため、内容は自由です。
多くの年次報告書には企業がどのように発展、持続しているか、財務の安定性や将来の経営戦略や方針について書かれています。
内容を自由に決められることから、各社が工夫をして情報発信できます。
有価証券報告書と混同する方がいますが、これは法律によって上場企業に提出が義務化されている点で異なります。
これは過去の財務情報などを伝えるもので、情報開示の内容も法律で定められています。
また、年次報告書では数字で表せないことも伝えられます。
過去の売り上げや利益など経営情報を提示する有価証券報告書と違い、年次報告書では他にも盛り込めます。
例としては、経営者のメッセージや事業戦略、社員の働き方などがあります。
このようにアピールしたいことを自由に記載できる点が魅力の1つでしょう。
数字に表れた結果から判断する投資家に対し、財務諸表から読み取れる数字情報以外の部分で有効的にアピールできます。
□報告書を書くステップとは
報告書は書きたい情報を漏れなく書くことはもちろん、読み手に不快感を与えないような構成が必要でしょう。
分かりやすくすることで、読み手側の混乱を防ぎ、確認作業の短縮につながり、読み手側の行動に瞬時に対応できます。
ここでは報告書作成のステップを5つ紹介します。
1つ目は目的を明確にすることです。
例えば、「どうして報告書を作るのか、読み手は誰か、内容や読み手に期待することは何か」について考えましょう。
特に読み手に関しては、しっかりと意識しておくことが大切です。
読み手に知ってもらいたいのか、理解してもらいたいのか、判断してもらいたいのか具体的に考えましょう。
2つ目は結論を最初に書くことです。
ビジネス文書の場合、報告書の目的に合った結論を冒頭に入れます。
これは忙しい人でも報告書の冒頭を読めば、主張したいことが分かるからです。
最終的な結論が分かった上で文章を読むのと、知らずに読むのでは理解の早さが変わるでしょう。
3つ目は見出しを入れることです。
文章が長くなる場合は、段落の先頭に見出しを加えると分かりやすくなります。
これは読む前に主張を理解してもらうことで、理解しやすくするためです。
見出しを入れないとしても、それぞれの段落の先頭に最も主張したいことを書けば分かりやすくなります。
良い報告書の条件は、見出しや段落の始めを読めば、報告書の意図が分かるようになっていることです。
一方悪いものは、最後まで読まないと理解できないものだと言えるでしょう。
4つ目は概要を書くことです。
報告書に概要は絶対に必要なわけではありません。
しかし内容がかなり長文になる場合は、読み手側にとっても概要があると親切ですよね。
概要を読めば、自分にとって読む価値があるのか、そうでないのかを判断できます。
5つ目は報告書をピラミッドストラクチャーで構成することです。
ピラミッド型を意識して、頂点を報告書の結論として最初に書き、2段目に内容を見出しに持ってくるとかなり読みやすい報告書が作れます。
□報告書作成時のチェックポイントとは
1つ目は情報が正しいかどうかです。
質の高い報告書にするためには、記載された内容が正確であるかを細かく確認することが大切です。
一部分でも間違った情報があれば、報告書全体の信ぴょう性が一気に落ちます。
また、他の部分との食い違うところがあったり、間違った情報を参考にして書き進めたりした結果、全体の内容が誤ったものとなる可能性もあります。
2つ目は読んでみて違和感がないかです。
報告書が作成できたら、読んでみておかしい部分はないか確認しましょう。
違和感に気づくためにも黙って目で文字を追うのではなく、声に出して読むのがコツです。
音読することで、理由と結論に矛盾がないか、日本語として不自然ではないかを確認しやすくなります。
誤字や脱字、文章のリズムにも注意しながら、何度か声に出して確認しましょう。
3つ目は提出する相手や目的に合ったまとめ方ができているかです。
どれだけ正しい書き方ができていても、提出する相手や目的とずれていては読んでもらえません。
表題や最終的に出た結論を読み返し、目的が達成できているのか、提出する相手に適したまとめとなっているかをチェックしましょう。
□まとめ
年次報告書とは何か、またその作成方法やポイントについて解説しました。
報告書を作成することになった方はぜひこの記事を参考にしていただければ幸いです。
当社では印刷の依頼を承っております。
ご不明な点があればぜひ当社にご相談ください。