プロジェクトの進捗状況を共有する報告書の書き方に、お悩みの方も多くいらっしゃるでしょう。
適切に作成することが求められる報告書は、どのように書けば良いのでしょうか。
そこで今回は、プロジェクト報告書の書き方についてご紹介します。
□プロジェクト報告書の作成理由
書き方についてご紹介する前に、まずは報告書を作成する理由について解説します。
プロジェクト報告書とは、進捗状況を全体に報告するために必要なものです。
作成目的としては、作成段階での成果や課題といった現状を明示して、今後の対策を検討することです。
報告書は、客観的にプロジェクトの現状を把握するために重要な役割を果たします。
プロジェクトの進行は、全てがスムーズに進むとは限りません。
プロジェクトが何かしらの壁にぶつかった際に、適切な報告書があれば、プロジェクトの課題というのを客観的に、チーム全体で把握できます。
その結果、当初の計画との差異の認識ができ、今後必要な対策やアクションが明確になり、プロジェクトがより良い方向に進むでしょう。
こうした理由から、報告書というのはプロジェクト運営において欠かせない存在です。
□報告書の具体的な書き方
このように重要な報告書ですが、実際どのように書けば良いのでしょうか。
ここでは、報告書の具体的な書き方についてご紹介します。
報告書は、標題と本文で構成されます。
標題とは、いわゆるタイトルのことです。
ここでのポイントは、報告書の概要がわかるように、具体的に20字程度にまとめることです。
標題の後には、「標題の件につき、下記の通りご報告いたします」と続いて本文に入ります。
文書の場合は「記」を、文書の真ん中に書き、報告する項目や内容を以下に続けます。
メールの場合はこの「記」は不要です。
そして、本文の締めは「以上」と書きます。
本文に記載する報告する内容についてですが、状況説明と内容の要旨の2つがあります。
状況説明については、項目分けをして箇条書きにして書きます。
報告する詳細事項や、目的などを正確に記しましょう。
内容の要旨とは、内容の要約を文章にしたものです。
これは、報告書の結論にあたるもので、読み手がひと目でその報告書の内容がわかるようにする必要があります。
ポイントとしては、重要な内容を3つほどにまとめ、3行程度の簡潔な分量で、読み手の知りたいことを書くということです。
読み手の知りたいこととは、具体的に以下の3つです。
・結論、結果
・理由
・課題
1つ目の「結論、結果」では、「何をしたから」「こうなった」を書きます。
2つ目の「理由」では、「なぜそうなったのか」を書きます。
3つ目の「課題」が重要なのですが、ここでは「次に何をするべきなのか」を書きます。
報告書の役割の1つとして、今後のプロジェクトの対策を検討することがありました。
そのため、この3つ目の「課題」が非常に重要なのです。
□報告書の効果的な書き方
どのような報告書も、読み手が納得し、現状を適切に把握して今後のアクションにつながる内容が理想です。
しかし、報告書の内容は、書き手と読み手の関係性によっても異なります。
ここでは、立場ごとによって変わる、報告書の書く内容とそのポイントについて解説します。
*プロジェクトメンバーが書く内容
プロジェクトメンバーが報告書に書く内容は、主に以下が挙げられます。
・進捗状況
・前回の進捗からの実績
・プロジェクト進行に関わる問題点
・問題点の解決方向性の案
・今後の進捗の見通し
などです。
ポイントとしては、プロジェクトの進行において問題となる箇所があれば、その原因や考えられる対策などを記すことです。
上司が早期に問題を把握でき、迅速な解決に繋がります
*プロジェクトマネージャーが書く内容
プロジェクトマネージャーが書く内容は、主にプロジェクト全体の現状をまとめるものです。
メンバーからの報告書をもとに、より全体感を持った報告書を作成します。
プロジェクトの段階によって報告書の内容も変わりますが、読み手が報告書に求めているものが何かを考える必要があります。
現状のプロジェクトの進捗具合や、問題点の明確化、対処方法や今後の見通しはもちろん、プロジェクトやコストの管理方法なども書く内容に加わってきます。
*クライアント向けに書く内容
クライアントが最も重視する内容は、明確な答えである「結論」です。
そのため、書き方としても「結論」がわかりやすく、納得できるように以下の4つを意識しましょう。
1つ目は「内容の信頼性」です。
信頼できるデータの引用を心がけて、曖昧な言葉や濁したような表現は使わないのが重要です。
2つ目は「具体的な内容」です。
抽象度が高い内容だと漠然として分かりづらく、報告書として適切ではありません。
誰が見ても分かりやすい、具体的な内容を記述することを心がけましょう。
3つ目は「論理的に書く」です。
結論に至るまでの論理的なつながりを、論拠も含めて意識することが大切です。
社内向けの報告書では、暗黙の共通認識や前提が社内にあり、論理的に少し飛躍していても内容は通じることがあります。
しかし、クライアントに向けての報告書では、誰が初めて見ても分かる論理性が求められます。
それゆえ、普段の報告書よりもより注意するべき点と言えるでしょう。
4つ目は「直感的に分かる表現」です。
文字や定性情報だらけの報告書では、内容をすぐに吸収することは難しいです。
図や数字などを用いて、直感的に理解しやすい表現を心がけることで、見やすく分かりやすい報告書となるでしょう。
□まとめ
今回は報告書を作成する目的や理由、その書き方をご紹介しました。
報告書は、プロジェクトの現状を明確にする役割を持ち、プロジェクト運営上必須のものなので、内容が適切であることが重要です。
今回ご紹介した情報が、皆さんのお役に立つと幸いです。