セミナー資料を作成するときに、目次をなんとなく作っている方もたくさんいらっしゃるかと思います。
プレゼン内容とは直接的に関係のない目次ですが、本当に必要なのでしょうか。
そこで今回は、セミナー資料における目次の必要性を中心に、目次についての注意点と、資料作成時の作成のコツをご紹介します。
□資料の目次は本当に必要なのか
結論から申し上げます。
それは、「場合による」です。
必要な場面も、必要じゃない場面もあるということです。
それはどういった基準で決まるのでしょうか。
その点について以下より解説いたします。
*目次が必要な場面
目次が必要な(あった方が良い)場面というのは大きく2つあります。
1つ目は、論理的なプレゼンが求められる場合です。
具体的には、ビジネスにおける報告や提案の場面や、学術的な研究発表の場面です。
このような場面では、プレゼン内容を聞き手が受け止めやすく、理解しやすい状況を作り出す必要があります。
そのため、目次を通してプレゼンの全体感を把握してもらうことが重要なのです。
2つ目は、プレゼン自体が時間的に長い場合です。
長時間のプレゼンでは聞き手も、話し手ですらプレゼンのどの部分を説明しているのかが、分からなくなる場合があります。
内容を適宜整理しながらプレゼンを進めることが求められるのです。
そこで目次があれば、内容のかたまりごとに話を分割して進めることができるので、長いプレゼンでも分かりやすくなります。
*目次が不要な場面
逆に、必要ない場面も大きく2つあります。
1つ目は、ストーリー仕立てのプレゼンの場合です。
例えば、営業におけるプレゼンです。
この場合は、論理的な内容よりは、感情に訴えるようなプレゼンが求められます。
起承転結という言葉があるように、物語のような流れが重要なプレゼンです。
そのため、内容ごとに区切るような目次は、その流れをぶつ切りにしてしまうので不要だと考えられます。
2つ目は、プレゼン自体が短い場合です。
先ほどの目次が必要な場面とは逆で、プレゼンが短い場合、目次をつける必要はあまりないでしょう。
全体が数分ほどのプレゼンでは、わざわざ目次をつけるよりは、早く本題に入る方がベターです。
さて、ここまで、必要な場面と不要な場面について解説しましたが、これは本に例えて考えると分かりやすいです。
ビジネス本と小説で考えてみましょう。
ビジネス本は、読み手に内容を説明したり教えたりするもので論理的な構成が求められます。
そのため、目次というのは必ずついており、加えて目次は事細かに書いてある場合が多いです。
小説ではどうでしょうか。
小説は物語で、全部を通した流れで、読み手の感情に訴えかける構成です。
そのため、小説には大まかな章分けはあれど、目次という概念はありません。
まとめると、「時間が長いか短いか」「論理的なプレゼンか否か」の2つの軸で判断ができます。
□セミナー資料の目次の注意点
資料に目次をつけた場合、実際のプレゼンではどのように目次を見せるべきなのでしょうか。
いくつか注意点があるのでご紹介します。
*目次はすぐに飛ばさないで、しっかり見せる
プレゼンで陥りがちな失敗に、目次のスライドをすぐに飛ばしてしまうことがあります。
目次の目的は、聞き手に対してプレゼン全体の流れを伝えることにあるので、すぐに飛ばすのは目次を作った意味がなくなります。
*目次は読み上げないで、説明をする
もう一つ陥りがちな失敗として、目次をそのまま読み上げてしまうことがあります。
書いてあることをそのまま読んでしまう発表は、発表者の存在は不要になりますし、時間の無駄にもつながります。
そのため、目次は読み上げるのではなく、説明を付け加えることが非常に有効です。
聞き手が目次のスライドに目を通している時間に、追加でプレゼンの具体的な流れについての情報を説明することで、聞き手はより効果的にプレゼンの流れの理解が深まります。
□伝わるセミナー資料作成のコツ
ここでは、資料全体を通して伝わりやすくするためのコツについて、いくつかご紹介します。
表紙はシンプルなものが良いです。
プレゼンにおいて大切なのは中身ですので、表紙よりはコンテンツ作成に注力しましょう。
目次スライドについては、章の切り替わりに挟み込み、他のスライドと見た目を変えると効果的です。
章の切り替わりで、見た目が変わった目次スライドの登場で、話題の切り替わりが強調され、聞き手はそれを受け入れやすくなります。
スライドの主張を、スライド上部にまとめておきましょう。
要点が目にとまりやすい位置にあると、聞き手は内容を理解しやすくなります。
図表や写真を効果的に織り込みましょう。
プレゼン全体のテーマカラーに合わせて、表には余白を持たせデータを詰め込みすぎないようにすると、見やすい印象を与えます。
重要な内容はきちんと目立たせると効果的です。
アンダーラインや太字にしたり、文字を線で囲んだり、「塗りと白抜き文字」を活用して、重要な内容の存在感を演出しましょう。
箇条書きで要点をまとめるスライドも効果的です。
大事な点を端的にまとめることで、余分な情報が削ぎ落とされます。
また、構造化して話しやすいので、話としても伝わりやすいプレゼンになるでしょう。
最後に、レイアウトは整列させ、テーマカラーは統一しましょう。
丁寧に整えられたスライドはすっきりして見やすい印象を与えます。
テーマカラーに使用する色は、多すぎるとまとまりがない印象を、少なすぎるとそっけない印象を与えますので、3〜5色程度がおすすめです。
□まとめ
今回は、セミナー資料における目次の必要性、目次についての注意点と、資料作成時の作成のコツをご紹介しました。
適切に目次を用いることで、聞き手がより理解しやすいプレゼンにつながります。
今回ご紹介した情報が、より魅力的な資料作成にお役に立てれば幸いです。