会社を経営していく上で、規定集を作りたいとお考えの方はいらっしゃると思います。
しかし、どう作れば良いのかと悩んでしまいがちです。
また、社内規定は作るだけではなく、どのように運用していくかも重要です。
そこで今回は、社内規定の内容と、社内規定を運用する際に注意したいこと、そして、近年注目の社内規定について紹介します。
□社内規定の内容は？
そもそも社内規定とは、会社が経営を続けていくことを目的とした会社内のルールのことです。
社内規定は、この仕事はどうすれば良いのだろうと困ったときに「道しるべ」としての役割を果たします。
そのため、社内規定があることで、従業員は安心して業務に専念できるようになるのです。
そして、社内規定の内容についてですが、その範囲は業種・業態によってさまざまです。
以下より、社内規定の種類を5つ紹介するので参考にしてください。
1つ目は、基本経営です。
基本経営とは、以下のような会社運営の基本事項に関する規定です。
・定款
・企業理念
・取締役会規定
・諸会議規定
・役員規定
2つ目は、組織権限です。
組織や業務、そしてそれら権限に関する規定が組織権限です。
主に以下のものが挙げられます。
・組織規定(組織図
・業務分掌規定
・職務権限規定
・稟議規定
・関係会社管理規定
3つ目は、人事労務です。
人事労務とは、以下のような就業規則や給料など、従業員に関する規定です。
・就業規定
・賃金、給与規定
・退職金、退職年金規定
・出張旅費規定
・転勤旅費規定
・社内貸付金規定
・従業員持株会規定
4つ目は、総務関連です。
総務関連の規定は以下のようなものがあります。
・文書取扱規定
・印章取扱規定
・固定資産管理規定
・安全衛生管理規定
・社宅管理規定
・人事考課規定
5つ目は、業務管理です。
業務を遂行する上での規定が業務管理です。
主に以下のものが挙げられます。
・経理規定
・原価計算規定
・内部監査規定
・購買管理規定
・外注管理規定
・在庫管理規定
・債権管理規定
・与信管理規定
・予算管理規定
□社内規定を運用するときに注意したいこと
社内規定は作成して終わりというわけではありません。
作成したものをどのように運用していくかが重要になります。
以下より、社内規定を運用するときの注意点について紹介します。
1つ目は、定期的な点検を行うことです。
完成した社内規定は、法律や時代の変化によってそぐわないものになってしまう可能性があります。
そのため、社内外の環境の変化に合わせて定期的に点検をして、更新していくことが大切です。
2つ目は、各規定間の整合性を保つことです。
社内規定を作るだけ作っても、それら規定同士で矛盾していては意味がありません。
そのため、各規定間での矛盾を防ぐために整合性を保つことを心がけましょう。
3つ目は、法律に抵触しないようにすることです。
社内規定を作成する際は、会社法・労働基準法・個人情報保護法などの社内規定に関する法律に抵触しないように注意する必要があります。
もし法律に違反すると、社内規定が無効になったり、会社が行政処分を受ける恐れがあったりするので気を付けましょう。
また、各種法律は改正することがあるので、法改正を確認することも大事です。
□時代に合わせた社内規定を
前章では、時代の変化によって社内規定を更新していくことが大切だと述べましたが、実際はどのようなものがあるのでしょうか。
以下より、近年注目の社内規定を3つ紹介します。
1つ目は、テレワーク規定です。
新型コロナウイルスの感染が拡大していく中で、働き方改革としてテレワークが流行しています。
そのため、テレワークに関する規定を設ける会社が増えてきています。
内容としては、労働時間の管理方法・業務の遂行方法・通信費に関することなどが挙げられます。
2つ目は、副業・兼業に関する規定です。
これまでの副業ブームにより、副業・兼業に関する規定も注目を集めています。
副業や兼業は、労働時間外の活動にあたるため、企業のルールを押しつけることはできません。
そのため、副業・兼業に関する規定を作成する場合は、従業員の希望を聞きながら決めることが大切です。
3つ目は、SNSに関するガイドラインです。
今やSNSは私たちの生活に欠かせないものとなりました。
SNSでは手軽に情報を発信、収集できるメリットがある一方、SNSを通じてトラブルが起こる恐れもあります。
個人の不適切な発信によって、会社にとって損害を受けるトラブルが起こることもあります。
そのため、SNSに関するガイドラインを設けることは、会社だけでなく、従業員を守ることにもつながります。
□まとめ
今回は、社内規定の内容と、社内規定を運用するときに注意したいこと、そして、近年注目の社内規定について紹介しました。
社内規定は、会社が経営を続けていくことを目的とした会社内のルールのことで、業務上の道しるべになります。
社内規定の作成の際は、各規定間の整合性と法律に抵触しないことに気を付けましょう。
