いくら注意していても、業務を行うにあたってミスやトラブルが発生してしまうことがあります。
そのようなときに必要なのが、取引先に対して経緯報告書を提出することです。
ミスの原因や、それに対する対応を伝えなければなりません。
そこで今回は、会社から外に向けた報告書の書き方、理解しやすい報告書にするためのポイントを紹介します。
□社外向け報告書の基礎知識
取引先に対して提出する報告書は、「経緯報告書」と呼ばれるものです。
経緯報告書は、社内向けの報告書と社外向けの報告書に分けられます。
社内向けの報告書は事実を記載することが主な目的です。
対して、社外向けのものではお詫びの気持ちを伝え、信頼を失わないようにする必要があります。
また、経緯報告書に似た書類で「顛末書(てんまつしょ)」があります。
顛末書は、トラブルが解決した後に作成し、提出する書類です。
トラブルが解決した後、作成するのを忘れないようにしましょう。
□社外向け報告書の書き方を解説
先ほど述べたように、社外向けの経緯報告書には、ミス・トラブルの発生原因とそれに対する対応という事実はもちろん、謝罪を記載する必要があります。
ここでは、社外向けの経緯報告書の基本的な書き方を紹介します。
まず、宛先・作成日・作成者を書き、謝罪の気持ちを挨拶文として表明します。
このとき、挨拶文が長くなりすぎないように注意してください。
その後、具体的なミス・トラブルの説明に移ります。
いつ、どこで、どのようなミスが発生したのか、簡潔に述べましょう。
社外向けの経緯報告書には、すべての事実を記載するわけではありません。
伏せておくべき内容がないか、上司に確認を取りながら作成を進めていきましょう。
そして現状、その後の経過を記載します。
ミス・トラブルが発生してからそれが解決するまでの流れを記載します。
内容・現状・経過は、時系列を意識し、日付や時間を記載するようにしましょう。
経過の次は、原因・対策を記載します。
対策をしっかり記載することで、トラブルの再発防止に努めます、という誠意を取引先に伝えましょう。
社外向けの経緯報告書は、テンプレートもたくさん出回っています。
慣れないうちはテンプレートを使ったり、参考にしたりするといいでしょう。
また、メールの本文で経緯報告を行う場合は、その内容がどこに記載されているかを、空白を使ったり、文章を使って説明したりすることで、わかりやすくしましょう。
そしてメールの件名は「~に関する報告書」として、メールに経緯報告が含まれていることがすぐわかるようにしてください。
そして、内容・現状・経過・原因・対策が切り替わる部分は、行間を十分に開け、内容・現状・経過・原因・対策の文字は太字にすることをおすすめします。
メールで経緯報告を行うときは、注意点があります。
それは、経緯報告書の内容は社外秘に該当することがある、ということです。
メールの本文に経緯報告を記載していいのか、確認が必要です。
万が一のことも考えて、パスワードつきの添付ファイルとして送付することをおすすめします。
□社外向け報告書をわかりやすくするポイントは?
社外向けの経緯報告書を書くときのポイントを皆さんに紹介します。
これから紹介する3つのポイントを意識することで、伝わる文章になります。
・時系列で記載する
・5W1Hを意識する
・原因と対策を記載する
1つ目のポイントは、時系列で記載することです。
経緯報告書には、発生したミス・トラブルと、関わった人を時系列で記載しましょう。
時系列で記載することで、トラブルの発生の経緯、現在の状況を整理して伝えられます。
情報量が多くなる場合は、別紙に記載するのも1つの方法です。
2つ目のポイントは、5W1Hを意識することです。
5W1Hとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」のことです。
5W1Hを意識して文章を書くことで、要点を簡潔にまとめた、読みやすい文章になります。
また、箇条書きを使うことも読みやすい文章になることにつながります。
3つ目のポイントは、原因と対策を記載することです。
社外向けの経緯報告書の目的は、謝罪の気持ちと、トラブルの再発防止に努める、という旨を取引先に伝えることです。
原因や対策を記載しないと、トラブルを解決する気がないのかもしれない、またトラブルが繰り返されるかもしれない、というような不安を取引先に与えてしまいます。
報告する相手に、誠意が伝わるような文章を書くことを心がけましょう。
□まとめ
社外向けの経緯報告書には、取引先に対して謝罪の気持ち、トラブルの再発防止に努めるということを伝え、信頼を取り戻す、という役割があります。
しかし、あまり長々と文章を書き連ねることはせずに、簡潔に誠意を伝えることが重要です。
5W1Hを意識したり、箇条書きを使ったりすることで、簡潔な文章になります。
また、メールで経緯報告書を送るときは、パスワードをつけて添付ファイルとして送るのが最適です。
情報の取り扱いには十分に注意しましょう。