デザインやレイアウトにこだわったオリジナルの冊子や写真集を作りたい、という方はイラストレーターを使って原稿を作成するのがおすすめです。
ただし、イラストレーターを初心者で使いこなすのは難しい場合が多いです。
そこで今回は、イラストレーターを使った原稿の作り方、原稿作成で注意すべきポイントを紹介します。
□イラストレーターでの原稿の作り方
イラストレーターで原稿を作るには、大きく分けて3つのステップがあります。
*基本となるマスターページを作る
まずは、全ページに共通するマスターページを作ります。
「ファイル」を開いて「新規」を選択します。
名前を「マスターページ」に変更し、サイズを入力します。
A4サイズは選択するだけで良いですが、他のサイズにする場合は縦と高さのサイズを入力する必要があります。
「OK」をクリックすると選んだサイズのアートボードが作成されます。
冊子でよく使われるA5サイズは、縦148ミリメートル、高さ210ミリメートルで作れます。
希望サイズのアートボードができたら、長方形ツールを使ってマスターページを作ります。
「長方形ツール」を選択し、本のサイズの長方形を作ります。
そしてアートボードの上に重ねます。
次に、書式サイズの長方形を作り、上下左右に余白ができるように調整していきます。
A5サイズの本にする場合は、上下左右それぞれ25ミリメートルの余白を作るのがおすすめです。
この長方形は、テキストボックスとして使います。
これで基本のマスターページが完成です。
*文章の編集作業を行う
マスターページができたら、いよいよ本の中身を作成してきます。
編集の負担を軽くするために、章単位で編集することをおすすめします。
また、1つのファイルの中にページを入れすぎると容量が大きくなりすぎてしまい、パソコンのパンクにつながることもあります。
1つのファイルの容量は20ページ以内に収めるよう意識しましょう。
章を作り始めるときには、まず大きなアートボードにマスターページをコピーします。
章ごとにこのページを作り、各章に何ページずつ設けるか決めましょう。
この時点でページ番号を打ち込んでおくと良いでしょう。
ここまでの設定ができたら、テキストを打ち込んでいきます。
文字を入力していくときには、行間を詰めすぎないように気を付けてください。
そして、1ページのテキストボックスがいっぱいになったら、テキストボックスをリンクさせます。
1ページ目のテキストボックスと2ページ目のテキストボックスを選択し、「書式」の「スレッドテキストオプション」を選び、「作成」を選択します。
テキストボックスをリンクすることで、文章をそのまま打ち込んでいけます。
この繰り返しを行って、章を完成させます。
*画像の挿入
画像は、カラーなら300dpi程度、モノクロなら200dpi程度の解像度のものを使うようにしましょう。
□原稿を提出する前にチェックしましょう
イラストレーターで原稿を作る方法を解説しました。
ここでは、完成した原稿を提出する前に確認すべき項目を紹介します。
・トリムマークがついているか
・塗り足しはされているか
・写真画像はCMYK、解像度は条件を満たしているか
・文字や写真が3ミリメートル以上内側に配置されているか
トリムマークは、メニューバーの「フィルタ」から「トリムマーク」を選んで作成します。
似たような機能に「トンボ」があるので注意してください。
また、印刷を専門会社に依頼するときには塗り足しが必要になります。
余白なしのデザインにする場合は、仕上がりサイズに上下左右3ミリメートルずつの塗り足しをつけるようにしてください。
そして、文字はアウトライン化しましょう。
アウトライン化されてない文字は、開くパソコンによって文字化けしたり文字が表示されなくなったりします。
さらに、印刷機ではRGBカラーのデータの印刷ができません。
挿入する写真はCMYKカラーのものにしてください。
最後に、文字や写真は3ミリメートル以上内側に配置してください。
仕上がりサイズのギリギリまで文字や写真があると、印刷されない部分ができてしまう可能性があります。
□原稿の作成で注意すべき点を紹介
原稿を当社で冊子にする場合、注意してほしいポイントがあります。
それは、対応しているアプリケーションです。
今回紹介したイラストレーター、そして同じアドビのフォトショップはCS5.5までに対応しています。
他にも、ワードにも対応しています。
対応OSは、マッキントッシュとウィンドウズです。
原稿を作成する前に、必ず対応アプリケーションを確認するようにしましょう。
□まとめ
イラストレーターでの原稿作成は、最初にマスターページをつくることで簡単に進められるようになります。
また、トリムマークや塗り足しを行っているか、文字や写真が3ミリメートル以上内側に配置されているかを確認してから印刷を依頼するようにしましょう。
当社は、冊子の専門家が皆さんの冊子作成をサポートします。
初めての冊子作成は、ぜひ当社をご利用ください。