自分で書籍を作るには?原稿の作り方と製本の種類を紹介します


書籍を自分で作成できるのは、ご存知ですか。
「書籍」というと書店で並ぶ、出版社が出している書籍を想像される方が多いかと思います。
実は、自分でワードなどのツールを使うことで書籍を作成できます。
そこで今回は、書籍の原稿作成の流れと、製本の種類について解説します。

□本文の名称をご紹介します

原稿作成の前に、本文の各部の名称を確認しましょう。

・版面
・柱
・ノンブル
・字間
・行間
・段
・段間
・キャプション

版面とは、本文が印刷される範囲です。
柱は章のタイトルや短編の題名などの表示で、上の余白に配置されることが多いです。
ノンブルはページ番号の表示で、下の余白に配置されることが多いです。

字間は、文字と文字の間の間隔です。
俳句集や詩集では、字間を大きめにとると読みやすくなります。
行間は、行と行の間の間隔です。
書籍では、最低でも文字の大きさの半分は行間を取るようにしましょう。

段は、書籍は通常であれば1段です。
段間は、段を2段以上設けるときの段と段の間の間隔です。
2文字分以上開けるようにしましょう。

キャプションは、写真や図版を掲載するときの解説文です。
写真や図版を用いるときは必ずキャプションを付ける必要があります。

□書籍の原稿の作り方は?原稿作成の流れを解説

ここでは、書籍の原稿の作り方を解説します。

*作りたい本のイメージを固める

原稿の執筆に取り掛かる前に、どのような本を作りたいのかを決めましょう。
具体的には、本の大きさはどのくらいにするのか、縦書きと横書きはどちらを選ぶのか、表紙のデザインはどうするのかなどです。

大きさのおすすめは、俳句集や詩集、歌集はA5、小説ならB6です。
出版されている書籍を参考に、自分のイメージを作っていきましょう。

*原稿を執筆する

イメージが固まったら、実際に原稿を執筆していきましょう。
文字を打ち込む前に、用紙と余白のサイズ、そしてページ番号の位置の設定を済ませておきましょう。
文章の入力を終えた後に調整を行うと手間がかかるので、最初に行うようにしてください。

文章の入力を終えたら、目次と章のページも作成します。
このページはなくても問題はありませんが、あることでより本格的な書籍に仕上がります。
ワードを使って原稿を作成する場合、見出しの設定を使い、参考資料の「目次」をクリックすることで簡単に目次が作成できます。

また、扉ページも作成しましょう。
扉には、本扉と中扉があります。

本扉は、本の中身の最初のページです。
本のタイトルと著者名を記載します。
本文の印刷用紙とは異なる用紙を用いたり、デザインを工夫したりすることで本の雰囲気をつくれます。

中扉は、本の内容がいくつか分かれているときに区切りの役目で設けられるページです。
これから始まる章の表題を記載します。

*原稿の確認・修正をする

原稿が完成したら、確認作業に移ります。
誤字脱字や不自然な日本語の表現がないか、見出しやページ番号にずれはないかなどを入念にチェックしましょう。
カーソルで文章をなぞりながら1文字ずつ確認すると間違いに気づきやすいです。

自分では誤字脱字に気づけないという場合は、他の人に確認をお願いしましょう。

*表紙を作成する

最後に、表紙を作成しましょう。
表紙には本のタイトルと著者名を入れ、何について書かれた本なのかが一目でわかるようにする必要があります。

*PDF形式で原稿を保存する

本文の作成、目次・章の作成、原稿の修正、表紙の作成まで完了したら、原稿のデータをPDF形式で保存しましょう。
ワードでの原稿作成の場合は、ファイルの「名前を付けて保存」を選択し、ファイルの種類で「PDF」を選択します。

□書籍で使われる製本の種類を紹介します

書籍の製本では、主に2つの製本方法から選ばれます。

1つ目が、上製本です。
これは、ボール紙を芯にして厚紙をまいた製本方法で、丈夫な作りになっています。
布張りや革張りも可能なため、豪華な書籍にできます。

花布(はなぎれ)という小さな飾り布を本文の上端と下端に付けることで、書籍の耐久性を上げられます。
また、スピンと呼ばれる紐のしおりも付けられます。
書店で見かける分厚くて表紙が固い書籍には、この製本方法が使われています。

2つ目は、並製本です。
一枚の厚紙で表紙を作成する本です。
上製本とは違って表紙と本文部分の大きさがそろっています。

花布は利用できませんが、スピンは付けられます。
上製本のように豪華な仕上がりにはなりませんが、費用を抑えて書籍を作成できます。

□まとめ

書籍はイメージを固める・実際に原稿を執筆する・原稿の確認と修正をする・表紙を作成する、という手順で原稿を作成できます。
目次や章のページ、用いる写真や図表、また字間や行間を工夫することで本の印象をつくれます。

今回はワードでの原稿作成を前提に説明を進めましたが、他のソフトでも原稿は作成できます。
ご自身が使いやすいソフトで作成してくださいね。

また、製本には2つの種類があります。
仕上がりイメージと費用を考えたうえで、製本方法を選ぶようにしましょう。