書籍を自費出版する場合には出版社を通さず、すぐに本を出版できます。
費用をすべて負担する分、収益もそのまま獲得可能な点が魅力的ですよね。
しかし、すべて自らの手で行わなければならないため、不明点が多く不安な方も多いのでは。
ご自身の伝えたいことが一人でも多くの人に届くような書籍を完成させるためには、何よりも、洗練された原稿の執筆が不可欠です。
そこで今回は、自費出版で書籍を作成する際に重視すべきポイントをご紹介します。
これから原稿を作成したいとお考えの方、ぜひ参考になさってください。
□まずは原稿作成の基礎知識を押さえましょう
「原稿作成」と聞くと少し難しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。
では、「読書感想文」を想像してみてください。
小中学生の頃に一度は書いたことがあるのではないでしょうか。
原稿作成の基本的ルールは読書感想文とほとんど変わりません。
つまり、マス目の使い方や句読点、記号に注意することが大切です。
また、デジタルでの執筆をお好みの方に向けてソフトについての記述も目を通してみてください。
*原稿執筆の作法
1つ目は段落分けについてです。
各段落の冒頭部は必ず1マス空けましょう。
始めはできていても、執筆を進めていくと、段々忘れてしまいがちです。
一度原稿が完成したら、1マス空けてから段落が始まっているか確認すると良いでしょう。
2つ目は記号の使い方についてです。
カギかっこは会話のシーンに使用され、改行が必要です。
基本的に、カギかっこの終わりは文の終わりを示すため、句点は不要ですが、会話の後に文章が続く場合はカギかっこの後に句点を打ちましょう。
句読点が行の一番上に来ることは避けるのが無難です。
こうすることで、見栄えのいい美しい文章に仕上がります。
また、エクスクラメーションマークやクエスチョンマークの使い方にもルールがあります。
これらの記号は句点と同様に文の終わりを示しますが、使用した際は後ろを1マス空けましょう。
また、沈黙を表す際によく用いられる三点リーダーやダッシュ記号にも注意が必要です。
三点リーダーやダッシュ記号は偶数の数で使わなくてはなりません。
2マス分以上使いましょう。
3つ目は表記についてです。
基本的に縦書きの場合は漢数字を、横書きの際にはアラビア数字を使用しましょう。
例外として、縦書きでもアラビア数字表記が分かりやすい場合はそちらを採用しても問題ありません。
例えば「B4サイズの紙」と書く場合には、漢数字でないほうが読みやすいですよね。
*執筆に用いるソフト
読書感想文とは違い、書籍の原稿となるとその文字数は膨大です。
そのため、紙に書くのではなくソフトにタイピングする方法が効率的と言えるでしょう。
文章作成でおすすめのソフトは、ワードや一太郎です。
どちらも費用が多少なりともかかってしまうため、気になる方はフリーソフトも検討してみてください。
□ワードを使った書籍の原稿作成手順を紹介
ワードは原稿を作成するうえで非常に便利なツールですが、使いこなすには慣れが必要です。
特にみなさんが困惑されるのは原稿を執筆するための初期設定です。
しかし、安心してください。
以下のステップを踏んでいただければどんな方でも簡単にワードで書籍の原稿作成が可能です。
まず「ページレイアウト」タブを選択してください。
「サイズ」タブから用紙サイズを設定します。
完成する書籍の大きさは、ワードで設定した用紙サイズより縦横ともに6ミリメートル程度大きくなります。
縦書きの書籍を作成する場合は「文字列の方向」をクリックし縦書きに設定しましょう。
「余白」からは縦横の余白スペースの広さを決められます。
次に「ホーム」タブを選択してください。
「段落」と書かれているところから行間の大きさを、「フォント」と書かれているところからはルビを設定可能です。
ルビを設定すると行間が変わってしまうことがあるため、行間の固定値を設定すると良いでしょう。
最後に「挿入」タブを選択してください。
「ページ区切り」を選択するとカーソルの位置に区切りを入れられます。
「ヘッダーとフッター」からはページ番号を挿入できます。
ページ番号の細かい設定をしたい方は、「フッターの編集」から調整してください。
また、「ファイル」タブから「印刷」をクリックすると印刷後のイメージを確認できます。
原稿の作成が完了したら一度、このプレビューを活用すると良いでしょう。
□原稿提出前に確認すべき校正ポイントを解説
書籍の原稿を書き終えたらセルフチェックを行いましょう。
最高の一冊を作り上げるポイントは3つあり、3回見直すことです。
1つ目は第三者から見たメッセージの明瞭さです。
ここでのポイントは、ご自身が書いた文章を初めて読む読者の気持ちになりきって原稿を読み直すことです。
書籍のコンテンツが読者にとって有益なものなのか、興味を引くのか、客観的に評価しましょう。
一番伝えたいメッセージが読者に分かりやすく、真っ直ぐに伝わる原稿に仕上げられると良いですね。
2つ目は主張の論理性です。
話の流れは首尾一貫しているでしょうか。
唐突に別の話題が始まったり、主張が変わったりしている箇所はないか確認しましょう。
特に、導入部分とまとめを比較してみると分かりやすいです。
3つ目は誤字脱字や表現の誤りです。
漢字の使い間違いや、ら抜き言葉は起こりやすいです。
また、表記揺れにも注意しましょう。
複数の表記方法がある言葉は、1つの書籍の中で表記を統一させると読みやすいです。
そうはいっても、すべての誤りを自力で発見するのは苦難の業です。
ワードには自動校正機能が搭載されているので、活用してみるのも良いでしょう。
□まとめ
今回は自費で書籍を出版したいとお考えの方に向けて、原稿の作成手順をお伝えしました。
原稿作成の基本的ルールを押さえた上で、ワードを活用し、最後に3つのポイントに沿って校正していただければ完璧です。
納得のいく原稿が完成したら残るは冊子印刷ですね。
当社はお客様に寄り添い、不安を解消しながら冊子印刷を承ります。
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