会社の社内規定集を作成するべきかどうか、悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
現在規定集がない場合、今のままでも良いのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、規定を設けることでさまざまなメリットがあります。
今回は、社内規定を設けるメリットと規定集の作成手順、作成する際に注意すべきポイントをご紹介します。
□会社に規定集は必要?規定を設けるメリットを紹介
社内規定を設ける主なメリットとして、業務の効率化や不祥事・トラブルなどのリスク回避が挙げられます。
全ての従業員が同じルールに従うことで業務の無駄が省かれ、効率化が図れるでしょう。
業務に関するルールがあれば、新入社員でも一定の成果を出せて生産性の向上も期待できます。
また、独自の判断で業務を行うことがなくなるため、それに伴う不祥事を防げます。
健全な業務遂行だけではなく、従業員を守るためにも社内規定は重要です。
□規定集の作成手順は?含むべき内容も紹介
規定集を作りたいけれど、何から始めるべきか、何を内容に入れるべきかわからない方もいらっしゃるかもしれません。
作り始める前に、手順や含むべき内容をある程度把握しておけば、スムーズに作成できるでしょう。
ここでは、まず規定集の作成手順を4つのステップに分けてご紹介し、その後含むべき内容を解説します。
ステップ1.規定集の内容を検討する
必要な規定は会社や業務内容によって異なります。
内容を決めるためには、まずは現在の社内状況を正確に把握することが重要です。
社内体制をしっかりと把握したうえで非効率な業務や曖昧なルールなどはないか見直し、制定する内容を検討します。
ステップ2.内容を整理して関係部署と調整する
内容がある程度決まったら一度整理して、関係部署と調整しましょう。
就業規則については従業員全員が関わることなので、従業員の意見も取り入れながら働きやすい環境づくりを目指しましょう。
ステップ3.専門家に内容を確認してもらう
社内規定は会社側が一方的に決められますが、法律に反する内容を含んではなりません。
また、設定しておくべき重大な内容が含まれていないと、会社にとってのリスクになる可能性もあります。
作成した内容に問題がないかどうか、専門家に確認してもらうと安心でしょう。
ステップ4.社員に周知させる
規定集を作成したら、社員に周知させましょう。
規定集は作るだけでは意味がありません。
従業員全員に規定集があること、規定集の内容を把握してもらう必要があります。
全ての従業員が見られるように体制を整えること、更新したときは必ず報告することを徹底しましょう。
続いて、規定集に含むべき内容を6つのカテゴリーに分けてご紹介します。
1つ目は、定款や社訓、企業理念など基本経営・会社の運営に関する規定です。
2つ目は、組織権限に関する規定で、組織図や倫理規定などがあります。
3つ目は、就業規則や給与に関する人事労務規定です。
4つ目は、文書の取り扱いや安全衛生管理など総務関連の規定です。
5つ目は、業務管理に関する規定で、経理規定や在庫管理規定などがあります。
6つ目は、その他の社内規定です。
個人情報管理規定やハラスメント防止規定、ソーシャルメディア規定、秘密情報管理規定などが含まれます。
このように、規定にはさまざまなカテゴリーがあります。
必要な項目ごとに規定集を作るのが一般的です。
会社のリスク管理のために必要なルールを決め、作成や更新したときは忘れずに社内に通知しましょう。
□規定集を作成する際に注意すべきポイントを解説
規定集を作成する際に注意すべきポイントを解説します。
作成する機会がある方は、ぜひ参考にしてください。
*整合性があり法律の範囲内であること
会社が大きくなればなるほど社内規定は増えていきますが、他の規定と整合性が取れていることが必要です。
相違や重複があったら混乱してしまいますよね。
これまでの規定と整合性が取れているか、法律に反していないかどうか確認しましょう。
*従業員に周知する
規定集の存在や内容を従業員に知ってもらう必要があります。
社内のインターネットで検索すればすぐに確認できるようにする、更新されたら全従業員にメールで通知するなど、従業員がすぐにチェックできるように工夫しましょう。
*定期的に見直す
業務内容の変更や時勢などに合わせて、規定は常により良く新しい状態にしておく必要があります。
内容が古いままだと、現在の業務内容と異なることが原因でトラブルが起きたり、時勢に合わせていないと不祥事や従業員からの不満につながったりしてしまう場合があります。
しかし、他の業務で忙しくて更新を後回しにしたり、変更しなくても問題ないだろうと放置したりしてしまう場合もあります。
そのため、事前に見直す時間をスケジューリングしておくことをおすすめします。
□まとめ
今回は、社内規定を設けるメリットと規定集の作成手順、作成する際に注意すべきポイントをご紹介しました。
規定を設けることで業務の効率化や会社にとってのリスク回避を図れるというメリットがあります。
作成する際は今回ご紹介した手順を参考に、整合性や法律に注意しながら作成して、従業員への周知や規定集の定期的な見直しを忘れずに行いましょう。