役に立つ社内マニュアルを作るための作り方のコツを紹介します


役に立つ社内マニュアルがあると、業務が円滑に進められますよね。
また、業務が効率化できるのはもちろん、誰がやっても一定以上の業務のクオリティーを保てるようになります。

今回は、読み手の作業効率を上げ、スムーズな業務遂行が可能な社内マニュアルの作り方をご紹介します。

□社内マニュアルの作り方

*社内マニュアルをどこまで適用するか決める

社内マニュアルが正しく効果を発揮するために、適用範囲を明確にしましょう。
社内マニュアル作成の目的が、プロセスの見える化や教育コスト削減であることを理解したうえで、どこまで詳細に記載するか、どのような基準で記載するか検討しましょう。

*作成のスケジュールを決める

マニュアルリリースのゴールをいつにするか決めてから、そこから逆算してスケジュールを決めましょう。
マニュアル作成以外の業務があるならば、後回しにしないためにもなおさら決める必要があります。
マニュアル作成に必要な作業量や人数も見積もっておくと良いでしょう。

*業務内容や手順を整理する

マニュアル化する作業の具体的な内容や手順を漏れなく整理しましょう。
ある程度の細分化や具体性は必要ですが、どこまで細分化するのか、どこまで具体的に記載するのかまで整理できるとなお良いです。
この過程で、ただ整理するだけではなく、不要なものは省くことも必要です。
また、さらなる効率化が見込めるものはこの段階で改善しておきましょう。

*注意点や懸念点、留意事項を洗い出す

ここまで整理できたら、読み手にとってわかりづらい点はないか、不明確な点はないかを確認しましょう。
忘れがちなのが、いわゆる「暗黙の了解」部分を含んでいないかです。

誰が読んでもわかりやすく作業の効率化が見込めるマニュアルを作成するならば、「暗黙の了解」部分がわかっていないと作業に取り組めない表現は避けるべきです。
また、ごく基本的な作業はマニュアル化する必要がなければ取り除くべきです。

*作成したマニュアルを実際に運用して改善を続ける

さまざまなことに気をつけて作成したマニュアルでも、実際に使い始めるまでわからない点が存在するでしょう。
そのため、作成後にはまずテスト運用してみる必要があります。
実際に運用してみて挙がった問題点はその都度改善しましょう。

また、手順の変更で既存のマニュアルが役に立たなくなる場合があります。
変更点やマニュアルを使う人の意見を参考にしながら、ブラッシュアップしていきましょう。

□使われるマニュアルにするために押さえたいポイント

誰にとっても役に立つマニュアルにするためのポイントがあります。

1つ目は、マニュアルのテーマを明確化することです。
テーマが明確でないマニュアルは見ても参考にならず、かえって非効率的になってしまう可能性があります。
また、テーマが明確に示されていないと目的の作業のマニュアルを探すという余分な作業が増えてしまいます。

2つ目は、読み手を想定した内容と文体にすることです。
新卒、中途入社、役員などさまざまな人がマニュアルを見る可能性があります。
共通のマニュアルで良いのか、別でマニュアルを作成する必要があるのか検討する必要があります。

3つ目は、マニュアルを階層構造にすることです。
業務自体が一般的に階層に分かれているため、マニュアルも階層構造で示されているとでわかりやすいです。
階層構造にすることで目的の内容が書かれている場所が探しやすくなります。

4つ目は、書かれている内容を探しやすくすることです。
どこに何が書かれている探しやすいマニュアルは、とても効率良く作業が進められます。
見出しやタイトルの設定で工夫しましょう。

5つ目は、図やイラストを利用することです。
文字のみのマニュアルより、図やイラストを用いた方が読み手にとって理解しやすいです。
理解しにくいマニュアルは非効率的なため、図やイラストを適切に使いましょう。

□社内マニュアルは作成後も重要

社内マニュアルは作成し終わったら完了ではありません。
社内にマニュアルを浸透させ、有効活用されているかを確認し、更新と改善をしていきましょう。

わざわざマニュアルを作成したのに、「見ておいてください」と設置しておくだけでは意味がありません。
社内ツールで共有したり、画像やPDFファイル、ドキュメントなど多様な形式で用意しておいたり、利便性を直接伝えたり、さまざまな手に取ってもらう工夫が必要です。

また、先述した内容と少し重複しますが、マニュアルの効力が発揮されているかは定期的に確認が必要です。
実際に使っている人に不便がないか、改善の余地はないか確認しましょう。
改善案が出た場合や、情報が更新された場合には、それらに対応するために改善し、変化していく必要があります。

□まとめ

今回は、役立つ社内マニュアルの作り方の手順と作る時のコツ、作った後について解説しました。

効率的な業務かつ一定以上のクオリティーを担保するためにも、利用者にとってわかりやすいマニュアルを作成しましょう。
また、さまざまな場面で重宝されるマニュアルにするためには、完成した後も時代の変化と共に変わっていく必要があります。