読者として書籍を手に取る機会が多い方がほとんどだと思います。
多くの書籍は、出版社を介して書店に並びます。
しかし、中には自費出版されている書籍があります。
今回は、自費出版で書籍を発行したい方に向けて、書籍の原稿について、本の専門用語や原稿作成のステップをご紹介します。
自費出版するには何から始めれば良いのかわからない方、自費出版を考えている方は要チェックです。
□原稿作成を始める前に知っておきたい本の専門用語
原稿を書き上げてもすぐに出版できるわけではありません。
製本されて販売されるまでにはいくつかの工程があります。
ここでは、工程を紹介するにあたって、聞き慣れない専門用語があるかと思いますのでご紹介します。
製本に関して知っておくと良い専門用語は、製本の種類、本の各部分の名称、製本工程の大きく分けて3つあります。
*製本の種類
製本の種類は大きく3つに分けられます。
「上製本」、「並製本」、「中綴じ製本」の3つです。
まず、「上製本」とは、表紙が硬く立派な本を指します。
硬い表紙には厚紙の芯が使われており、その硬さからハードカバーと呼ばれています。
耐久性に非常に優れており、長期保存に向いています。
絵本やハードカバーの小説や卒業アルバム、画集などの制作に使われています。
次に、「並製本」とは、少し厚めの紙の表紙の本です。
そこまで硬くなく、ソフトカバーやペーパーバックと呼ばれることもあります。
綴じ方が比較的簡単で、低コストで作成できます。
雑誌や新書、文庫のような日常的に見かけることが多いでしょう。
そして、「中綴じ製本」とは、背表紙のないホッチキスで真ん中を止めただけの本です。
ページ数が64ページまでの、比較的少ないページ数でしかできません。
こちらも綴じ方が比較的簡単で、低コストで作成できます。
*本の各部分の名称
・表紙
表紙の名称は4種類あります。
本の顔ともいえるタイトルが書いてある前表紙を「表1」と呼びます。
「表1」の裏側、開いた内側の面を「表2」と呼びます。
一般的に裏表紙と呼ばれるバーコードが貼られている面を「表4」と呼びます。
そして、「表4」の裏側、開いた内側の面を「表3」と呼びます。
「表1」と「表4」は外側の面で、「表2」と「表3」は内側の面です。
さらに、「表1」と「表4」をつなぐ部分を「背表紙」と言います。
・中身
表紙と本文の間に何も書かれていない紙が挟まれていることがありますよね。
これを「見返し」と呼びます。
別で作った表紙と中身を接合する際に、補強する目的で挟まれています。
「表1」と「見返し」をめくって1番最初に現れる、タイトルが書かれているページを「大扉」と呼びます。
*製本工程
製本する段階以外でも、日常的に聞くことのある単語も中にはありますが、意味を理解しきれていない方もいるのではないでしょうか。
今回は「入稿」、「見本組み」、「内校」、「校了」、「責了」について説明します。
「入稿」は、書き上げた原稿を提出することです。
最近ではデータでのやり取りが多いと思いますので、完成したデータを印刷会社や出版社に渡すことを指します。
「見本組み」は、紙面の体裁を整えるために一部分を実際のように組んでみることです。
ここで印刷形式を決めることが多いです。
「内校」は、原稿やデータを次の工程に渡す前に内部で行う校正のことです。
内部校正のことを指します。
「校了」は、校正終了の意味です。
校了の状態とは、全ての修正を終え、このまま印刷しても良い状態を指します。
「責了」は、修正箇所が少ないときに印刷所の責任で修正し、校正完了とすることです。
□書籍の原稿作成の3ステップ
まず、書籍のメッセージとターゲットを決めます。
その書籍で伝えたいことやターゲットを考えましょう。
ターゲットによって、雑誌が良いのか、新書が良いのか、文庫が良いのかを決めましょう。
次に、編集と校正、見本組みをします。
どの部分を詳細に書くか、どのような章編成にするか決めましょう。
誤字脱字がないか、文章内に矛盾がないか、正しい情報かを校正で確認しましょう。
この工程は何度か繰り返されるため、およそ半年かかります。
そして、印刷・製本にうつります。
最終確認である白焼きを経て、印刷・製本されます。
□著作権には注意しましょう
自己出版する際には、言語や図や写真、編集著作物の著作権に注意しましょう。
日本では、著作者の死後70年間は著作物の保護期間に該当するため、自由に使うことは不可能です。
海外の著作物にも国内のものと同様に著作権があるので、むやみに使わないようにしましょう。
著作権の保護期間が切れているものに関しては自由に使えます。
また、70年経過していなくても、規定に沿った引用であれば使用可能です。
□まとめ
今回は、自費出版で書籍を発行したい方に向けて、書籍の原稿について、本の専門用語や原稿作成のステップをご紹介しました。
自費出版と聞くと、ハードルが高いように感じるかもしれませんが、製本までの道のりは出版社を介したものとさほど変わりません。
まずは、出版したいものの制作から始めてみてはいかがでしょうか。