会社の印刷物等の原稿を作成する時に、イラストレーターを利用して作成すれば、よりクオリティの高い素敵なものが完成します。
今回は、イラストレーターでの原稿の作り方を紹介します。
最初はやることが多くて難しいと感じるかもしれませんが、手順を1つ1つ見ていけば理解できますので、ぜひ最後までご一読ください。
□イラストレーターで原稿を作成する時にまず確認することは?
イラストレーターで原稿を作成する時は、まずカラーをCMYKに設定すること、そしてトリムマークを作成することから始めましょう。
カラーは、RGBカラーとCMYKカラーが選択できます。
この2つは色の再現領域が異なっており、印刷に適しているのはCMYKカラーです。
そのため、印刷物の作成時にはCMYKカラーに設定しておきましょう。
トリムマークとは、断裁位置を明確にするための「しるし」のことです。
トリムマークの初期設定の方法を紹介します。
まず、新規ドキュメント設定から始めます。
「ファイル」から「新規」をクリックし、以下のように設定をします。
・サイズ(幅・高さ):任意
・カラーモード:CMYK
・ラスタライズ効果設定:高解像度(300ppi)
次に、仕上がりと同様の大きさの長方形を作成します。
長方形ツールを選び、描画ツールの塗りと線をそれぞれ「なし」にします。
アートボードを選択し、「長方形ダイアログ」を開きます。
印刷物のサイズを以下のように設定します。
・幅:210ミリメートル
・高さ:297ミリメートル
ここまで完了したら、トリムマークの作成にとりかかります。
また、トリムマークを作成する前に、「日本式トンボを使用」の部分にチェックがついているか確認してください。
「illustrator」から「環境設定」に進み、「一般」をクリックすると確認できます。
次に、先ほど作成した長方形を選択し、実際にトリムマークを作成します。
トリムマークが作成できたら、次にガイド線も作成していきます。
これで、初期設定が完了です。
トリムマークとガイド線の設定方法については、後ほど詳しく紹介していきます。
□原稿をデータ化する前にこれを確認しましょう
ここでは、入稿データを作る手順を見ていきましょう。
*ロック、非表示の解除
先ほど紹介した初期設定をした上で、レイヤーのロックとオブジェクトのロック、非表示を解除します。
*アウトライン化
次に、フォントのアウトライン化をします。
全選択し、「書式」から「アウトラインを作成」でアウトライン化できます。
*画像ファイルの設定
画像のカラーベースをCMYKにし、解像度を300dpi以上に設定します。
また、リンク画像の場合はイラストレーターのデータと同じ階層にまとめます。
*余分なオブジェクトの削除
空のテキストオブジェクトを削除します。
メニューバーの「選択」から「オブジェクト」、「孤立点」と進んだら選択できます。
ここまで見ると、手順がややこしく難しく感じた方もいらっしゃると思いますが、ポスターやパンフレットでも基本的には同様の方法で入稿が可能です。
一度覚えてしまえばそこまで難しくありませんので、試してみてくださいね。
□トリムマークとガイド線の作り方を詳しく解説
初期設定で必要なトリムマークとガイド線の具体的な作成方法を紹介していきます。
慣れるまでは難しいかもしれません。
ここでの説明を見ながら、やり方を覚えていきましょう。
まず、長方形オブジェクトを作成します。
「オブジェクト」から「トリムマークを作成」を選択すると、トリムマークが作れます。
トリムマークが作成できたら、ガイド線も作成します。
作成するガイド線は、仕上がり線、塗り足しガイド、文字切れガイドです。
作成した長方形を選択した後、パスのオフセットを利用して、仕上がりサイズから3ミリメートル大きい長方形を作成します。
パスのオフセットは、「オブジェクト」から「パス」を選択すると出てきます。
以下のように設定します。
・オフセット:3ミリメートル
・角の形状:マイター
・角の比率:4
次に、パスのオフセットを利用して、仕上がりサイズから3ミリメートル小さい長方形を作成します。
以下のように設定します。
・オフセット:マイナス3ミリメートル
・角の形状:マイター
・角の比率:4
最後に、ガイドを作成します。
作成した3種類全ての長方形を選択し、ガイドを作成します。
「表示」から「ガイド」と進み、「ガイドを作成」を選択します。
これで、初期設定が完了です。
ガイドが完成したら、ガイドが動かないようにロックをかけておきましょう。
また、ガイドを参考に、塗り足しの拡張やオブジェクトの配置も行っておきましょう。
□まとめ
今回紹介した原稿の作成方法は、一見難しいように感じるかもしれませんが、一度覚えてしまえばポスターやパンフレットなど様々なものの作成に活用できて便利です。
そのため、実際に作成する時は、チェックリスト等を作った上でデータを作成するとスムーズなので、実践してみてくださいね。