インデザインは、出版業界やデザイン関連の職種で頻繁に使用されるDTP(デスクトップパブリッシング)ソフトウェアです。
この記事では、インデザインの基本的な特徴から、原稿の制作フロー、さらにはPDF出力の手順を解説し、読者の皆様がより効率的な作業を行い、スキルの向上を果たせるようサポートします。
□インデザインとその特徴
*DTP用のソフトウェアとしての地位
インデザインは、書籍や雑誌、パンフレットなどの出版物を制作するためのDTPソフトウェアとして、業界で広く認知されています。
エディトリアルデザイン領域での使用が一般的であり、そのトップシェアは揺るぎないものがあります。
*Adobe製品群との強力な連携
Adobe製品であるイラストレーターやフォトショップとの連携が非常に強く、これがインデザインのシェアを高めています。
特に、イラストレーターで作成したベクターグラフィックやフォトショップで編集したビットマップ画像を、インデザイン内で自由自在に配置できる点が評価されています。
*インデザインとイラストレーターの違いについて
インデザインとイラストレーターの大きな違いは、インデザインがページデザインとレイアウトに特化している点です。
しかし、それだけではありません。
イラストレーターで作成したベクターオブジェクトや、フォトショップで編集したビットマップ画像も簡単に取り込むことができます。
さらに、テキスト編集ソフトとしても機能します。
これにより、テキストと画像を効率よく組み合わせることが可能です。
イラストレーターは、グラフィックソフトとしての機能に特化しています。
インデザインと組み合わせ、イラストレーターでロゴやデザインを作成し、インデザインで原稿内に落とし込む、という組み合わせで使うのがおすすめです。
*ウェブとプリントの多用途性
インデザインは、基本的には出版領域や紙媒体で仕事をする際に必要なツールですが、電子書籍やデジタルマガジンの作成にも使われています。
このように、ウェブ領域で活動するデザイナーが利用するシーンも増えています。
□インデザインを使用した原稿制作の基本手順
1:表紙の作成
表紙は、通常、イラストレーターで作成したデザインをインデザインに貼り付けます。
この手法は、各章の扉ページにも適用できます。
また、インデザイン自体でもシンプルな表紙デザインは可能です。
2:見出しのデザイン
見出しのデザインも、事前にイラストレーターで作成しておくと効率的でしょう。
これを各ページに貼り付けていく形になります。
3:テキストと画像の配置
テキストの流し込みと画像の配置を行います。
特に、テキストが画像を回り込むレイアウトも、簡単な設定で可能です。
このような高度なレイアウト機能は、インデザインが他のDTPソフトウェアよりも優れている点と言えるでしょう。
レイアウトの作成においては、ダミーテキストを使用して先にレイアウトを作成する方法もあります。
これにより、後で実際のテキストに置き換える作業がスムーズに行えます。
この手法は、特に大規模な出版物や複数ページにわたるデザインを行う際に有用です。
□インデザインでのデータ作成とPDF出力の方法
・ページ設定とテキストフレーム
「ファイル」から「ページ設定」を選択し、必要な設定を行います。
その後、テキストフレームを作成して、テキストを流し込みます。
このテキストフレームは、後でPDFに出力する際にも重要な要素となります。
・PDF出力設定の詳細
「ファイル」から「PDF書き出しプリセット」を選択し、出力設定を行います。
書き出しは、ページ単位で行うようにしましょう。
・画像の圧縮と解像度
「圧縮」タブを選択し、画像の圧縮設定を行います。
ここでは、「ダウンサンプルしない」を選択することで、高解像度の画像がそのままPDFに反映されます。
また、圧縮は全てZIPを選択してください。
これにより、モアレの問題を防止できます。
・トンボと裁ち落とし
「トンボと裁ち落とし」タブを選択し、必要な設定を行います。
「トンボとページ情報」の項目のチェックはすべて外しましょう。
通常、この設定は印刷会社とのやり取りで重要となるため、注意が必要です。
特に、「ドキュメントの裁ち落とし設定を使用」にチェックを入れることで、インデザイン内で設定したマージンやページサイズがそのまま反映されます。
・色分解とプロファイル
最後に、「色分解」タブを選択し、カラー設定を行います。
通常、カラー変換なしとし、プロファイルを含めない設定が一般的です。
以上の5つのステップが完了したら、書き出しを行ってください。
□まとめ
インデザインは、単なるDTPソフトウェア以上の多機能性と高度なカスタマイズ性を持つツールです。
出版物の制作はもちろん、PDF出力に至るまでの一連の流れをスムーズに行えるよう設計されています。
この記事を通じて、インデザインの基本的な操作から応用テクニックまでを網羅的に理解できたでしょうか。
今後のデザイン作業に是非とも活かしてください。