仕上がり線の落とし穴


データを作成する際に、仕上がりの位置がわかるように、あらかじめ線を引いて作業をすることがありませんか?
今回は仕上がり線について解説します。

□仕上がり線とは

印刷データは、実際に作る製品のサイズよりも3mm以上大きく作っています。大きく作りますので、データを見ているだけではどこまでが製品の範囲になるのか、わかりづらいという難点があります。
そこで、仕上がりにあたる位置に実線を引いて、どこまでが製品の範囲かわかりやすくしてデータを作る方法があります。この時、仕上がりにあたる位置に引く線を【仕上がり線】と呼んでいます。

□入稿データにする時は

出来上がったデータを入稿データにする時に、aiデータやpsdデータのままで入稿する場合と、PDFに変換して入稿する場合があります。
いずれの入稿方法でも気をつけなくてはいけないので、仕上がり線をそのままにしておくことです。なぜなら、仕上がり線が入ったままの状態で印刷されてしまうかもしれないのです。
仕上がり線のレイヤーが分かれていれば削除は可能です。しかし、レイヤーが統合されたPDFデータでは、仕上がり線を消すことが難しくなります。
仕上がり線の下に絵柄や文字がなければ、削除することは可能です。けれど、絵柄や文字の上に重なっている場合は、仕上がり線だけ削除することはできません。そのまま印刷されて、ところどころ仕上がり線が残る、残念な印刷物が出来上がってしまうケースは少なくありません。

ここで注意しなければならないのは、仕上がり線が入っていても、データは不備にはならないのです。
印刷会社のデータチェックは、印刷ができるデータかどうかということを確認します。デザインのチェックをしているわけではないので、仕上がり線が入っていても印刷に支障はないのです。
また、その線がデザインで入れた線なのかどうかという判別ができないのです。

そんなところに線を入れるはずがないとお考えの方もいらっしゃいますが、デザインでわざわざ入れたと主張される方もいらっしゃいます。デザイン性を考慮して、印刷会社がデータを不備にすることはできません。

□ガイドを引きましょう

実線で仕上がり線を入れると、そのまま印刷されかねない危険がはらんでいます。
そこで、仕上がり線を実線で引くのではなく、ガイドを利用して仕上がり線の位置に引いてみましょう。

ガイドを引いておけば、どこまでが製品の印刷範囲なのかわかります。
ガイドの最大の利点は、印刷に反映されないことです。削除を忘れがちな仕上がり線に比べ、仕上がり線が残されたまま印刷される事故を防ぐことができます。

□まとめ

仕上がり線を実線で入れると、入稿する時に削除を忘れがちになります。印刷に反映されないガイドを利用して、美しい印刷物を作りましょう。


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