京都大学総合博物館 教授の大野 照文氏、同大学 大学院教育学研究科 蒲生諒太氏に協友印刷(相談できる 冊子印刷の協友※以下協友印刷)に印刷を依頼した経緯について詳しく聞きました。
書籍の印刷を依頼
- 今回、協友印刷にはどんな印刷を依頼したのでしょうか。
(大野氏):協友印刷さんには2つの本の印刷を依頼しました。
一つはこちら「学びの海への船出」です。
印刷部数は500部。体裁はA5版、460頁(カラー4頁)。カバーもつけるなど「書籍」としての外観が持てるよう、仕上げました。
本の内容は、2014年に開催した特別展「学びの海への船出 ~ 探究活動の輝きに向けて」の展示関係者、参加者の講演録や事例を中心にまとめたものです。
博物館の展示会を元に生まれた本ですが、「展示会の目録」というわけではなく、その本質は、探究学習を普及させるための「書籍」であり、また展示を通じて行われた教育学研究の成果をまとめた「成果発表」の場でもあります。
もう一つ印刷を依頼したのが、こちら「探究するモグラたち - 京大博物館式・教育実践演習」です。
印刷部数は300部、体裁はA4サイズ 110頁、オールカラーです。こちらは京都大学の教職課程にある学生が授業の一環として博物館の展示物を作った、その演習を記録した本です。
今日は、「学びの海への船出」の方を中心にお話しすることにします。
費用、品質、納期、支払い方法など制限の多い案件だった
- この本の印刷を協友印刷に決めた経緯を教えてください。
(蒲生氏):特別展「学びの海への船出」を開催したのは2014年12月から1月にかけてですが、非常に良い内容となったので、それを「研究成果」として記録するために書籍を作ることを決めました。
市販する予定はありませんが、図書館等には寄贈したいと考えたので、それにふさわしい体裁、外観で仕上げる必要がありました。
ただし今回は、費用、品質、納期、支払い方法など非常に制限が多い案件だったので、印刷会社選びには苦労しました。
助成金を活用するために多くの条件があった
- 具体的にどのような制限があったのでしょうか。
(蒲生氏):今回の印刷費用は助成金を使って捻出したため、それに伴い制限が生じました。
まず「費用上の制限」ですが、予算の範囲額を1円たりとも超えてはいけません。明確な上限がありました。
次に「納期の制限」として、年度末である3月末日には、書籍500冊が刷り上がっていることが絶対条件でした(それを過ぎると助成金で処理が出来なくなります)。
しかし実際の進行としては、各方面からの原稿が揃ったのは2月中旬、それからWORDによる組み版が終わったのが3月20日、つまり印刷製本に当てられる期間は実質10日しか猶予はなく、たいへんにタイトな進行となりました。
最後に「支払い方法上の制限」ですが、「前払い」「納品物と引き替えにその場支払い」ではなく、請求書ベースの後払いに対応できることが必須でした。
この条件に合致する印刷会社を早急に見つける必要がありました。
最初は地元の印刷会社を使うことを考えたが…
- 京都近辺で印刷会社を探そうとは考えませんでしたか。
(蒲生氏):それも最初は考えました。「冊子印刷 格安」などの言葉でネット検索しました。
しかし良い会社はなかなか見つからない。安い会社は品質が今ひとつだったり、高品質のところは「初回注文は必ず前払い」という条件だったりという繰り返しでした。京都近辺の印刷会社もそのような条件があり断念致しました。
そして最後にやっと見つかったのが協友印刷さんです。まず冊子専門と謳っており、実績が豊富です。支払いも後払いでOKでしたし、厳しい条件である価格と納期についても、「大丈夫ですよ」とあっさり回答いただけました。
その上、営業担当の菊地さんは「24時間、携帯に電話してくれてOKです」とまで言ってくださいます。ここなら大丈夫だと思い、依頼することに決めました。
ストレスのない進行に高い評価
- 注文から納品までの協友印刷の仕事への評価をお聞かせください。
(蒲生氏):まったくストレスのない進行でした。具体的には次のとおりです。
ポイント1.「『きちんとした書籍』を作るための的確な提案があった」
本文には、書籍特有の、あの読んでいて目が痛くならない少し黄みがかった色の紙が提案されました。そして表紙カバーの紙も、手触りの良い高級感のあるがあるものでした。こちらからは「きちんとした書籍を作りたい」といった簡単な要望を伝えただけでしたが、それでも適切に対処していただけました。
ポイント2.「期限ギリギリの微調整を適切処理してくれた」
今回は、多方面から原稿を募ったため、本の分量(ページ数)がギリギリまで決まりませんでした。これは「本の厚み」が決まらず、したがって表紙カバーの「背の幅」が決まらないということを意味しています。しかし、そうした微調整も、協友印刷さんはふだんの仕事で手慣れているのか、確実に処理してくれました。
ポイント3.「進捗報告が的確かつタイムリーだった」
私には本の制作の進捗状況を、大野先生に的確かつタイムリーに報告する義務がありました。その場合、印刷会社の進行が、「注文した後、何の報告も連絡もなく、ある日、印刷物がどかっと届いてくる」というのでは困ります。しかし協友印刷さんは、ただ印刷をするだけでなく、進行途中でも要所要所で的確な報告を入れてくださいました。これは私の立場として非常にありがたいことでした。
今後の期待
- 協友印刷への今後の期待をお聞かせください。
(大野氏):わたしは最初、今回のような「費用、納期、品質の全てで妥協できないような印刷」は、実際に会って対面して話し合える業者でないと無理だと思っていました。
しかし協友印刷(冊子印刷通販のキョウユウ)さんとは、東京と京都というように物理的には離れていながらも、仕事の進行や対応の面ではまったく距離を感じませんでした。なるほど、こんな風に印刷を進行することもできるのだなと実感しました。良い経験ができたと思います。
この度は、制限の多い印刷物を見事に納期内に仕上げていただき、ありがとうございました。今後また仕事を依頼することがあるかもしれません。引き続きよろしくお願いします。